リンスインシャンプーの仕組みって?メリットとデメリットを合わせて解説

シャンプーとリンスが一度にできる「リンスインシャンプー」

シャンプーした後にリンスしなくてもいいから、めんどくさがり屋さんや男性の方も使ってらっしゃる方も多いんじゃないでしょうか。

 

ただ、リンスインシャンプーってどんなものでどういう仕組みなのか、意外と知らないんじゃないでしょうか。

今回はリンスインシャンプーの仕組みとメリットとデメリットをご紹介していきますね。

 

 

 

1.シャンプー+リンスでリンスインシャンプー?

リンスとシャンプーが一度にできるリンスインシャンプー。

 

そんなの、リンスとシャンプーを混ぜたものに決まってるでしょ?というのは半分正解です。

 

ですが、例えばお風呂場に別々のボトルで置いてあるシャンプーとリンスを混ぜてもリンスインシャンプーにはなりません…

むしろ、それぞれの機能が打ち消しあってしまうんです。

 

 

リンスとシャンプーは成分が違う?

リンスはシャンプー後にマイナスに偏ってしまった髪をプラスにしたり、アルカリ性に偏ってしまった髪のpHを弱酸性に戻すためのアイテムです。

 

リンスにはカチオン性界面活性剤という成分が使われます。

 

カチオンというのはプラスのっていう意味です。カチオン性界面活性剤はプラスの部分がある分子って意味です。

 

ちなみに、シャンプーはアニオン性界面活性剤という成分が使われています。

アニオンというのはマイナスのっていう意味です。アニオン性界面活性剤はマイナスの部分がある分子って意味です。

 

このアニオン性界面活性剤がシャンプーで一番大切な汚れを落とす成分です。

 

ちょっとまとめると

  • リンスはカチオン性界面活性剤 → プラスの分子
  • シャンプーはアニオン性界面活性剤 → マイナスの分子

 

話が難しくなってきますが…

プラスマイナスが別々にあるから、シャンプーとリンスはそれぞれの機能を発揮できるんです。

 

シャンプーはマイナスの分子があるから、汚れを落とすことができます。
リンスはプラスの分子があるから、シャンプー後にマイナスになってしまった髪にくっついて、電荷を中和して髪の手触りをよくしてくれます。

 

なので、リンスとシャンプーを混ぜてしまうと、ボトルの中でプラスとマイナスが打ち消しあってしまうので、シャンプーの効果もリンスの効果も発揮できなくなってしまうんです。

 

 

リンスインシャンプーのリンスは普通じゃない?

けれど、リンスインシャンプーはシャンプーの後リンスもできますよね。

実は、リンスインシャンプーのリンスは普通じゃないんです!

 

リンスインシャンプーにはリンス成分、カチオン性界面活性剤に秘密があります。

 

それはずばり、リンス成分の分子の大きさなんです!

  • ボトルのリンス → リンス成分の分子が小さい
  • リンスインシャンプー → リンス成分の分子が大きい

分子は大きさが大きくなるほど、水に早く溶けだしていく性質があります。

 

リンスインシャンプーはカチオン性界面活性剤の分子を大きくすることで、カチオン性界面活性剤が水に溶けだすのを遅くしているんです。

 

なので、初めは、小さなアニオン性界面活性剤が早く溶けだしていきシャンプーできます。そのあと、遅れてカチオン性界面活性剤が溶けだしてくるので、リンスができるんです。

 

 

ちょっと余談な、リンス成分の大きさのお話

ここはちょっとした補足です。

リンス成分の分子の大きさをどうやって大きくしているのか?って気になった方は読んでみてください。

 

リンス成分はカチオン性界面活性剤でしたよね。

実際の商品で見てみます。

 

誰もが知ってるシャンプー「メリット」のコンディショナーとリンスインシャンプーの成分を比べてみます。

コンディショナーに入っているリンス成分は「N,N-ジメチルオクタデシロキシプロピルアミン

 

一方でリンスインシャンプーに入っているリンス成分は

  • 塩化ポリプロピレングリコールヒドロキシプロピルトリモニウムセルロース液(2P.O.)
  • 塩化トリメチルアンモニオヒドロキシプロピルヒドロキシエチルセルロース
  • 塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体液

 

めちゃくちゃ名前長い…

リンスインシャンプーのリンス成分は高分子にしているんです。高分子は分子をいくつもつなげて大きくした分子のことです。

 

どのくらい大きくなるかは、「いくつ分子をつなげるか」「どんな分子を使うか」などなど、いろんなことで決まってくるんですが。

100倍とか1000倍とか…大きさは全然違います。

 

 

 

2.リンスインシャンプーのメリット・デメリット

ここからはリンスインシャンプーのメリットとデメリットをご紹介していきますね。

 

リンスインシャンプーのメリット

リンスインシャンプーのメリット

  • 時短になる
  • 経済的

 

とにかく効率良くシャンプーを終わらせたい人に向いているのが、リンスインシャンプーです。

 

シャンプーとリンスを別々にすると、「シャンプー→すすぎ→リンス→すすぎ」と意外に時間も手間もかかります。忙しいときや疲れているときなんかは、結構めんどくさいですよね。

 

ですがリンスインシャンプーであれば「シャンプー→すすぎ」だけでシャンプーとリンスを済ませることができます。時間も手間も単純に半分になります。

 

さらに、すすぎの回数が1回減るので、すすぎに使う水も減ります。わずかながら水道代を節約でき、排水も減ることでエコにもつながります。

またリンスインシャンプーはシャンプーとリンスを別々に購入する必要がなく、1本だけで済みます。毎月の出費を少しずつでも抑えられるため、リンスインシャンプーは経済的なシャンプーといえますね。

 

 

リンスインシャンプーのデメリット

リンスインシャンプーのデメリット

  • ヘアケアは十分できない
  • リンス成分が頭皮についてしまう

 

リンスインシャンプーはシャンプーとリンス2つの効果が発揮するように作られています。

ですが、リンス単体で使ったときと比べると、髪の毛をケアする効果はどうしても劣ってしまうんです。髪の毛のダメージが気になる方やヘアケアしたい方にはやっぱり不向きです

 

シャンプーは頭皮や髪の汚れを落として、リンスは髪のコンディションを整えるものです。なので、リンスは髪の毛につけるのが正解です。

ただ、リンスインシャンプーは、どうしてもリンス成分が髪の毛だけでなく頭皮にもついてしまうんです。

 

リンス成分は頭皮につくと、アレルギーや頭皮のかゆみの原因になるので、注意が必要です。リンスインシャンプーを使うときは、とにかくしっっかりすすいでください!

 

 

3.メリットとデメリットを知って、上手に付き合ってください

リンスインシャンプーは昔に流行ったものと思われがちですが、スーパーやドラッグストアの店頭に並び、意外と根強い人気があるんです。

うまく使えば、時短・エコになり、忙しい人やめんどくさがりの人にはもってこいの製品といえるかもしれませんね。

 

けれど、リンスインシャンプーの効果はシャンプーとリンスを別々で使ったときよりも劣ります。

特に髪の傷みが気になる方やヘアケアしたい方には、やっぱり不向きなので注意してくださいね。

 

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