なぜくせ毛になるのでしょうか?
くせ毛は遺伝などの先天性のものとストレスや頭皮・毛髪の状態が影響する後天性のものがあります。
私自身も生まれつきのくせ毛にずっと悩んでいました。
今回は髪の毛の構造からくせ毛の原因を分かりやすく説明していきます。
さらに、自分でできるくせ毛のケアについてもご紹介していきます!
1.髪の毛の構造
髪の毛はケラチンというたんぱく質からできています。髪の毛を構成している成分として挙げられるのは次の3つです。
- キューティクル
髪の一番外側を覆って、熱や摩擦から髪全体を守る働きをしています。
一番外側のキューティクルは堅いたんぱく質が主成分で、半透明のうろこ状のものが4~10枚重なってできています。
髪の内部組織を守る役割を果たし、髪の通夜や感触を左右しています。
熱や摩擦などの外部刺激でキューティクルがはがれてしまうと、毛髪内部の栄養や水分が流れ出してしまいます。
- コルテックス
髪の約8割を占めるコルテックスは、繊維状のタンパク質が主成分です。
この部分のたんぱく質・脂質の構造や水分量が、髪の柔軟性や太さなど髪の特徴を決めています。
雨の日や梅雨の時期など、湿気が多い時に「くせ」が出やすいのも、このコルテックスが影響しています!
また、コルテックス内部に含まれているメラニンの種類と量によって、髪の色が決まります。
- メデュラ
髪の中心にあるメデュラは、やわらかいたんぱく質が主成分です。
メデュラはある人とない人がいて、主に髪が太い人はメデュラがあると考えられています。
2.なぜ、くせ毛になるのか
髪の毛の構造が分かったところで、なぜくせ毛になってしまうのか解説していきます。
くせ毛の原因は様々ですが、遺伝などの先天的なものと生活習慣などの後天的なものがあります。
代表的なものを見ていきましょう。
ポイントは、毛穴の形とキューティクル、コルテックスです!
親からの遺伝
くせ毛の人の親ってだいたいくせ毛ではないでしょうか?
両親がくせ毛の場合は約90%以上の確立で、父親か母親どちらかがくせ毛の場合は約70%の確率でくせ毛が遺伝するといわれています。
くせ毛は優性遺伝といって、親から子供へ優先的に伝わる情報なんです!
両親のどちらかが直毛でどちらかがくせ毛だと、子供がくせ毛になる確率は50パーセントよりも高いです。
両親が直毛であっても、おじいちゃん・おばあちゃんがくせ毛の遺伝情報を持っていれば、くせ毛になる可能性もあります。(隔世遺伝といいます)
毛穴の形が曲がっている
くせ毛の人は直毛の人に比べて毛穴が楕円形をしており、毛根部分が少し曲がったところに位置しています。→毛穴の形が楕円状です。
逆に直毛の人は毛根が毛穴の真下にあります。→毛穴の形は円形です。
くせ毛の人は、毛根で作られた髪が頭皮から出てくるとき、この楕円形の毛穴を通るので、髪が曲がってしまいます。
くせ毛の度合いはこの毛穴の曲がり具合によって変わってきます。
直毛の人は毛根で作られた髪がそのまま真っすぐ伸びていくため、毛穴も丸く、髪も曲がりません。
シスチン(S-S)結合が歪んでいる
くせ毛といっても、曲がり具合や強さは人それぞれです。
このくせ毛の強さを決めているのは…髪内部のシスチン結合の結合の仕方です。
髪はケラチンというたんぱく質でできています。
髪内部のたんぱく質同士の結合にはシスチン結合が使われています。
直毛はたんぱく質のペアがしっかりと結合しています。けれど、くせ毛はボタンが掛け違えたような異なるペア同士がシスチン結合でくっついています。
このシスチン結合を切ったり、くっつけたりすることで美容師さんたちはパーマやストレートを自在に操っています。
コルテックスが不均一に並んでいる
髪の毛の特徴を決めるコルテックスは柔らかく、水分を含みやすいオルトコルテックス、硬く水分を含みにくいパラコルテックスに分けられます。
2種類のコルテックスが均一に並んでいると直毛に、不均一に並んでいるとくせ毛になるといわれています。
湿度の高い日や雨の日…オルトコルテックスが水分を吸収して膨らみます。
直毛は円形の髪の毛が円形のまま広がるので雨にぬれても直毛です。
くせ毛の場合は、オルトコルテックスが不均一に並んでいるので、髪が膨らむ部分と膨らまない部分があります。
この膨らみ方の差でくせ毛が現れてきます。湿度の高い日や髪が濡れた日にくせ毛が目立つのはこのためです。
毛穴の詰まり
髪は頭皮にある毛母細胞の分裂によって生えてくるので、頭皮環境と髪の状態はとても関連しています。
整髪料や頭皮の汚れによる毛穴の詰まりが起きてしまうと、毛穴の形が歪んでしまい、生えてくる髪が歪んでしまいます。
髪のダメージ
紫外線やパーマ、カラーなどに対してケアを行わないと、頭皮や髪はダメージを受けてしまいます。
ドライヤーやヘアアイロンなどの熱も髪にダメージを与えます。
こういった刺激で頭皮や髪の痛みが蓄積し、髪表面のキューティクルが傷ついたり、はがれたり、溶けたりしてしまいます。
キューティクルは髪の一番外側を覆うことでコルテックスやメデュラを守っています。
キューティクルがはがれたり、溶けたりして傷ついてしまうと…コルテックスがむき出しになってしまい、湿気の影響をさらに受けやすくなってしまいます。
そうなると、強いクセやうねりが目立ってしまいます。
毛根や毛穴の位置、形は遺伝的に決まる要因が強いので、先天的な要因といえるでしょう。
一方、毛穴の詰まりや髪へのダメージは後天的な要因ですね。
後天的な要因は日ごろのケアで改善することができます!
特に、コルテックスは通常キューティクルに守られているので、キューティクルがしっかりと髪表面を覆っていると湿気が髪の内側に入るのを抑えることができます。
なので、ヘアケア・キューティクルのケアをしてあげることは雨の日の髪のうねりを抑えることにつながるんです!
3.くせ毛に効果的な対処法
ここからはくせ毛に効果的な対処法をご紹介していきます。
私自身も実践している内容なので、ぜひ参考にしてみてください!
くせ毛にはアミノ酸シャンプーがおすすめ!
頭皮環境を改善することやキューティクルを優しく洗うことはくせ毛対策として有効です。
高級アルコール系シャンプーでは頭皮やキューティクルに負担をかけすぎてしまいます。
なので、高級アルコール系シャンプーよりも洗浄力が優しいキューティクルアミノ酸シャンプーがおすすめです!
アミノ酸シャンプーは適度な洗浄力で毛穴の汚れを取り除くと同時に、髪を保湿することができます!
保湿作用の高いアミノ酸シャンプーを選べば、髪がしっとりと潤うことで柔らかく、より扱いやすくなります。
皮脂汚れを落としてあげることで、生えてくる髪のゆがみも無くなります。
さらに、先天的なくせ毛も保湿することで、キューティクルやコルテックスが外部から守られ、湿気などの影響を受けにくくなるので、髪が扱いやすくなります。
アミノ酸シャンプーでおすすめなのは、洗浄力が強すぎず頭皮や髪に必要な皮脂や水分は落とさないマイルドなもの、保湿成分が配合されているものなどです。
トリートメントで傷んだ髪の内側へ栄養補給
くせ毛はキューティクルが傷ついている場合が多く、毛髪内部のたんぱく質や脂質、水分が外に流れだしてしまいます。
なので乾燥やうねりが出やすく、くせ毛を悪化させてしまいます。
トリートメントはコルテックス部分の補修や水分の補給、髪をコーティングして、外部から守るなどの効果があります。
アミノ酸シャンプーだけでも髪が扱いやすくなることが期待できますが、トリートメントと組み合わせることで、くせ毛改善の効果が倍増します!
縮毛矯正
現時点でくせ毛を一番、一発で真っすぐストレートにできるのは美容室で行う縮毛矯正です。
縮毛矯正はパーマと同じ原理を利用します。
1剤でシスチン結合を切り、2剤で真っすぐ再結合させます。
掛け違いのボタンを一度はずしてもう一度かけなおすイメージです。
ここにアイロン作業を加えることにより、より真っすぐなストレートの状態を固定します。
けれど、縮毛矯正も完璧とはいかず、欠点もあります。
それは、熱や薬剤により髪が激しいダメージを受けることです。熱による「タンパク質変性」という構造変化が髪に起きてしまいます。
髪は1度この変化が起きると元には戻りません。(火を通したお肉や卵が元に戻らないのと同じです)
髪がタンパク質変性を起こすと、硬くなってしまします。縮毛矯正をした髪が不自然なくらい真っすぐになってしまうときがあるのは、これが原因です。
たんぱく質変性をいかに起こさず、自然な仕上がりにできるかは技術者の知識・技量に左右されます。
ヘアアイロン
ヘアアイロンで熱を加えながら、髪をはさんで伸ばすことで、くせ毛をストレートに仕上げます。
効果は一時的で髪が濡れるとまた元のくせ毛に戻ります。
手軽な方法なので、毎朝ヘアアイロンで髪を伸ばしてセットする人も多いと思います。
ですが、ヘアアイロンも熱によるダメージには、気をつけてください。
温度調節機能の付いたヘアアイロンで120~140℃くらいで使ってください。
150度を超えると、髪がより傷みやすくなるので注意が必要です。
ドライヤー(ブロー)で仕上げる
くせ毛の具合にもよりますが、アミノ酸シャンプーで髪が扱いやすくなれば、ドライヤーだけでもくせ毛を伸ばすことができます。
髪は基本乾かすと気にくせづくので、乾かし方でかなりくせ毛も気にならなくなります。
4.まとめ
いかがでしたか。
今回は髪の構造から、くせ毛になる原因をまとめました。
くせ毛になる原因は遺伝などの先天的ななものや、頭皮環境や髪の状態の悪化による後天的なものもあります。
くせ毛の状態は人それぞれなので、自分の髪の状態にあった対処法を見つけて改善することが大切です。