生まれてからずっと、身体の一部として付き合ってきた髪の毛。
もちろん生え変わっていることは知っているけど、でもいったいどうやって生まれて、成長し、どのくらいで抜け落ちているか…なんて考えたことはありますか?
今回は髪がどうやって生まれてどうやって抜け落ちていくのか、髪の一生を解説していきます!
1.髪はどうやって作られるのか
髪は毛母細胞から生まれる
人の頭には約10万本の髪の毛が生えています。その髪の毛1本1本は毛球から生えています。
毛球は表皮のもっと下の真皮や皮下組織にあります。毛球をもっと詳しく見ていくと、毛乳頭、毛母細胞、メラノサイトでできています。
毛乳頭は毛細血管から栄養をもらうことで、髪の毛を作るための栄養を毛母細胞に渡しています。毛母細胞は細胞分裂をすることで髪のもとになる細胞を作っていきます。
メラノサイトは髪を黒くするメラニン色素を作るメラニン工場です。
毛乳頭にはメラノサイトと毛母細胞があるので、毛母細胞から髪が伸びていくときにメラノサイトからメラニン色素が一緒に供給されていくんです。
なので、黒い髪が伸びていくことができるんです。
メラノサイトからメラニン色素が供給されないと、黒髪が伸びていきません。
2.髪が生まれてから抜けるまで
生まれてから抜けるまでの4つのステップ
髪は毛母細胞から生まれてから、抜けるまで大きく4つのステップに分けることができるんです。
成長期、後退期、休止期、脱毛期&新生期です。
成長期
毛乳頭の活動が活発になり、髪を成長させる期間です。成長期も、早期・中期・後期の3つに分けれられます。
この期間は髪を作る毛母細胞は細胞分裂を繰り返すので、新しい髪が毛母細胞から伸びていっているんです。
ヘアサイクルのうちほとんどの期間は髪の成長期に当たります。一般的な成長期は3~5年といわれています。成長期が長ければ髪はその分長く成長し、太くなる傾向があります。
退行期
成長期が終わると髪は退行期に入ります。退行期の期間はだいたい2~3週間くらいです。
この期間に入ると、毛乳頭の活動が弱くなり、髪の成長も止まっていきます。
休止期
休止期に入ると、毛乳頭の活動が止まり、髪の成長は止まります。
休止期の期間は数か月といわれており、その期間中に髪の毛根の位置は表皮表面に近づいていきます。
脱毛期&新生期
休止期に入った髪の奥では、次に生える髪が生まれ始めます。これが新生期の髪のことです。新しく生まれた髪は、新しい毛母細胞の細胞分裂が活発になることで成長期へ入ります。
新しい髪が成長するにつれて、休止期の髪は押し出されていきます。そして、洗髪や髪をとかすときに自然に抜け落ちていき髪としての一生を終えるんです。
健康な髪のヘアサイクルが続けば、髪は抜けても、下から成長期の髪が新しく生えてくるので毛穴からは常に髪が生えている状態になるはずなんです。もちろん髪のヘアサイクルは時期や期間が異なるので、脱毛の時期はランダムです。なので、一度にごっそりまとめて抜けることはありません。
髪は1日に27メートル伸びる?
髪は1日で約0.3mm伸びるといわれています。なので1か月で約1cm、1年で約15センチ伸びます。
1本の髪の寿命を約5年とすると、約75センチ伸びることになります。
頭皮には約10万本の髪があるので、1日にすべての髪が伸びる長さを合計すると27メートルになります。
これだけでも髪がとっても細胞分裂が活発な組織なんだとわかりますね!
3.AGAになると毛髪サイクルが崩れる?
髪は通常抜けるものです。ですが、脱毛期に髪が抜けても成長期の髪が下から生えてきます。人によって、時期によっても様々ですが、髪は1日で50~150本くらいは抜けるものなんです!
そのくらいの髪が抜けているのならヘアサイクルは正常に保たれています。ただ、これ以上抜けるとヘアサイクルが乱れている可能性があります。
ヘアサイクルが乱れる原因の一つにAGAがあります。
AGAになると髪が成長できない
AGAは男性型脱毛症という病気です。
男性ホルモンのテストステロンと5-αリアクターゼという酵素がくっついてできた、ジヒドロキシテストステロンという成分がAGAの原因なんです!
AGAになると、髪の成長期が短くなってしまいます。
脱毛期を迎えて抜けていった髪の下からは成長期に入って成長中の髪が生えてくるはずです。
しかし、AGAになると、成長期が短くなり、脱毛期で髪が抜けた後、成長するはずの髪も脱毛期に入ってしまいます。
初期の成長期から一気に退行期、休止期、そして脱毛期へ進んでいってしまうので、髪が成長できないんです。
なので、AGAになると髪が太く・長く成長できなくなってしまい、産毛のような小さい髪の状態で抜けてしまいます。
それが繰り返されるうちに、髪が成長できなくなり毛乳頭も活動自体が弱くなり、髪が新しく生まれなくなってしまいます。
なので、AGAになるとヘアサイクルが乱れ髪が成長できない頭皮環境になってしまうんです。毛乳頭の活動も弱くなってしまうので、髪全体の本数が減ってしまい、髪の密度も減るので、薄毛につながってしまいます。
AGAはホルモンが原因の病気なので、薬を使って治療する必要があります。
ただ、その薬を毛乳頭へ届けるためには、頭皮が清潔な状態であることが絶対に必要です。
なので、頭皮を清潔にそして健康に保つためにもシャンプーがとっても大切なんです!
4.まとめ
- 髪には成長期、休止期、退行期、脱毛期&新生期の4つの成長段階がある
- 脱毛期の髪は新生期から成長期に入った髪に押されて抜けていくので、通常は髪が抜けても新しい髪が生えてくる
- AGAになると成長期の期間が短くなり、髪が成長する前に脱毛期になり抜けてしまう