自分に合うシャンプーがなかなか見つからないとき、選択のひとつにシャンプーを石鹸にする「石鹸シャンプー」があります。
けれど、石鹸シャンプーってどうなんだろう?って疑問に思われた方もいらっしゃると思います。
石鹸シャンプーってどうなんだろう?という疑問には、私の答えは「おすすめできない」です。
今回は石鹸シャンプーをおすすめしない理由を紹介していきます。
1.シャンプーは石鹸から始まった
石鹸がなければシャンプーは生まれなかった?
たくさんのメーカーから数えきれないほどの種類が発売されているシャンプーですが、シャンプーのはじまりは石鹸でした。
シャンプーは大きく分けて3種類
ドラッグストアでもデパートでも、コンビニでもシャンプーが売っていますよね。
ほとんどのシャンプーは3つの仲間のどれかに分けることができます。
- 高級アルコール系シャンプー
- アミノ酸シャンプー
- 石鹸シャンプー
使われている洗浄成分(界面活性剤)で3つのうちどれに入るのか決まります。
シャンプー | 使われている洗浄成分 |
高級アルコール系シャンプー | 高級アルコール系洗浄成分(ラウレス硫酸Na、ラウリル硫酸Na、オレフィン(C14~16)スルホン酸Na などなど) |
アミノ酸系シャンプー | アミノ酸系洗浄成分(ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルグルタミン酸TEA などなど) |
石鹸シャンプー | 石鹸(石鹸素地、カリ石鹸素地) |
洗浄成分のはじまりは石鹸
シャンプーの目的は頭皮や髪についた汚れを落として清潔な状態に保つことです。すべての洗浄成分のはじまりは石鹸からでした。
そして、界面活性剤の研究がどんどん進むにつれて、アミノ酸系洗浄成分や高級アルコール系洗浄成分が誕生していったんです。
実は、アミノ酸系洗浄成分も高級アルコール系洗浄成分も開発されてから、まだ50年くらいしかたっていないんです。
石鹸はアルカリ性じゃないと使えない
石鹸もアミノ酸系や高級アルコール系と同じ洗浄成分の一つです。
ただ、石鹸には一つ大きな特徴があります。それは、pHがアルカリ性じゃないと洗浄成分として使えないということです。
石鹸は酸性になってしまうと、汚れを落とす力がなくなってしまうんです。
これは、ほかの洗浄成分とは大きく異なる特徴です。
2.私が石鹸シャンプーをおすすめしない3つの理由
pHがアルカリ性でキューティクルが開く
1つ目の理由は石鹸シャンプーがアルカリ性なことです。
石鹸シャンプーはアルカリ性でないと使えないので、髪を洗っているときは当然髪の周りはアルカリ性になってしまいます。
人の肌はpH4.5~5.5くらいの弱酸性に保たれています。髪も同様でpH4.5~5.5くらいが一番コンディションがいいんです。
髪は表面にキューティクルの層に覆われていて、キューティクルが閉じていることで髪内部をダメージから守っています。
髪の周りがアルカリ性になると、キューティクルが緩み開いてしまいます。キューティクルは開くと髪に対して逆立った状態になるので、とっても引っ掛かりやすくなってしまうんです。
キューティクルが開いた状態で髪を洗うことになるので、キューティクル同士が引っ掛かり、髪のダメージにつながってしまうんです。
カラーが落ちる
石鹸シャンプーを使うとカラーが落ちやすくなります。理由はキューティクルが開くからです。
髪を染めるときも実はpHの原理を応用しているんです。
弱酸性の状態ではキューティクルは閉じています。カラーで使う薬剤は、アルカリ性なんです。髪にアルカリ性の薬剤を塗ることでキューティクルを開きます。
キューティクルの開いた髪にカラー剤を入れることで髪を染めているんです!
なので、キューティクルを開かせる石鹼シャンプーでシャンプーすると、カラー剤が髪から流れていきやすくなってしまうんです。
仕上がりがごわごわで髪がきしむ
石鹸シャンプーを使うと、髪をすすいだ時、かなりきしみます。
これは理由が2つあります。
- 開いたキューティクル同士がひっかかる
- 石鹸カスができる
一つずつ理由を見ていきます
開いたキューティクル同士が引っ掛かる
石鹼シャンプーを使うとキューティクルが開いてしまうのは先ほどお話しました。
シャンプー中、キューティクルは開いています。水で流しても髪は弱酸性に戻らないのでキューティクルは開きっぱなしです。
なので、キューティクル同士で引っ掛かってしまうんです。キューティクル同士の引っ掛かりが髪のきしみとして感じてしまうんです。
さらに、シャンプー中は泡が髪と髪の間が入って、髪同士の摩擦を軽減できていましたが、泡を流してしまうと、髪が直接こすれてしまいます。
キューティクル同士がひっかかるので髪同士の摩擦が大きくなってしまうんです。
石鹸カスができる
石鹸シャンプーを使うと、髪に白い粉みたいなモノがついてしまう…これって実は石鹸カスが原因なんです。
石鹸は大量の水で薄まると、洗浄力がなくなります。洗浄力がなくなるのは、石鹸の洗浄成分が変化するからなんです。水道水には、マグネシウムイオンやカルシウムイオンなどミネラル成分が入っています。
石鹸がマグネシウムイオンやカルシウムイオンと出会うと、反応して石鹸カスという物質ができます。お風呂の鏡などが白く汚れるのも石鹸カスが原因の一つなんです。
この石鹸カスは水に溶けないので、シャンプー後のすすぎでできた石鹸カスは髪に残ります。この石鹸カスは保湿力もないので、髪がキシキシになり、仕上がりはごわごわになります。
3.酸性リンスを使えば、いいんじゃないの?
石鹸シャンプーには酸性リンスを必ず使う。おそらく石鹸シャンプーを使っている方には常識だと思いますが…
酸性リンスは石鹸シャンプーでアルカリ性に傾いた髪を酸性に戻す効果があります。髪が酸性に戻ればキューティクルは閉じるので髪のきしみはなくなります。
さらに、石鹸カスは酸性にすることで取り除くことができので、酸性リンスを使えば髪のきしみをなくすことはできます。
ただ、ここで注意があります。
石鹸はpH9~11の弱アルカリ性です。酸性リンスはpH2~3くらいの酸性です。酸性リンスを使って髪を弱酸性に戻してあげれば、キューティクルは閉じます。
ただ、シャンプーのたびキューティクルが開閉を繰り返すことってかなり髪の負担につながってしまうんです。
4.石鹸シャンプーをおすすめできる人っているの?
ここまで、私が石鹸シャンプーをおすすめしない理由を紹介してきましたが、石鹸シャンプーをおすすめできる方もいます。
やはり人によって合う合わないがあるので、使ってみないとわからない部分もあります。
ここからは石鹸シャンプーが適した方はこんな方というのを紹介していきます。
石鹸シャンプーはこんな方におすすめ
- 頭皮が脂性(油っぽい)の方
- 髪が短い方
- シャンプーでアレルギー反応が出たことのある方
石鹸シャンプーには、
- 強い洗浄力
- 水と洗浄成分だけで、添加物が入ってない
という特徴があります。
シャンプーの構成がかなりシンプルなので、シャンプーでアレルギー反応が出てしまう心配は少ないも特徴です。なので、シャンプーでアレルギー反応が出てしまった経験のある方にもおすすめできるます。
5.まとめ
いかがでしたか。
今回は、私が石鹸シャンプーをおすすめしない3つの理由をご紹介しました。やはり髪のことを考えるなら、石鹸シャンプーはできれば使わない方がいいと思います。
ただ、石鹸シャンプーが髪に合う方もいらっしゃるので、石鹸シャンプーを使うのは絶対ダメ!というわけではありません。
ぜひ、ご自身に合うシャンプーを見つけるための、参考にしてみてください!